アメーバ赤痢の症状(ゲイに多い性感染症)

原因不明の下痢がおこるよ

アメーバ赤痢(せきり)は血のまじった下痢がおこる病気です。

食べ物から感染することも多いですが、肛門を使った性行為で感染することもあります。

特に、男性同性愛者(ゲイ)では、かなり蔓延していしているため注意が必要です。

このページでは、アメーバ赤痢の症状・感染経路などについて解説します。

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赤痢とは

赤痢は2種類あるよ

「赤痢」とは下痢に血液や粘液が混じった状態の便です。

また、この「赤痢」症状がおこる病気の名前も、同じく「赤痢」と呼ばれています。

そして、この赤痢には2種類あります。細菌が原因の赤痢と赤痢アメーバが原因の赤痢です。

  • 細菌性赤痢
  • アメーバ赤痢

この2つの赤痢はまったく別の病気です。

しかし、非常に似たような症状がおこり、感染経路もよく似ています。

100年ほど前までは、この2つの赤痢は区別がつかなかったため、同じ病気と思われていました。

日本でも1999年までは、法律的には同じものとして扱われていました。

どちらも感染者の隔離が必要でしたが、法律が改正されたため、現在ではアメーバ赤痢については隔離入院は不要になっています。

アメーバ赤痢

  • 病原体 赤痢アメーバ
  • 病名  アメーバ赤痢

「アメーバ赤痢」の原因は「赤痢アメーバ」という寄生虫(原虫、アメーバ)が原因です。

原虫という文字には、虫という漢字が使われていますが、正確には虫ではありません。顕微鏡を使わないと見ることができないくらいの小さな生き物です。

この赤痢アメーバには、人の糞便に含まれたアメーバのシストが、口から腸に入ることによって感染します。シストとは卵のようなものです。

シストは口から入ると、途中で栄養型のアメーバに変身しながら大腸まで進みます。栄養型とは昆虫でいうところの成虫のようなものです。

そして、大腸では栄養型のアメーバは腸を食い破って潰瘍を作ったり、血液の流れに乗って肝臓に入り膿の固まりを作ったりします。

このため、アメーバ赤痢では便に血液や粘液が混ざったり、肝臓周辺(主に右の脇腹)が痛くなったりします。

症状は軽い

しかし、赤痢アメーバに感染してもほとんどの人はは無症状です。症状がでるのは感染した人の1割くらいです。

そして、症状がでたとしても人よりトイレの回数が増えたり、便に痔のように少しの血が混ざるくらいの軽症となることがほとんどです。日常生活は普通に行うことができます。

それでも、たまに血液と粘膜の混じった激しい下痢と腹痛を起こす人もいます。

感染状況

世界の感染者は多い

この赤痢アメーバは世界では5000万人が感染しています。そのうち、毎年数万人が命を落としています。

特に、熱帯地方に多い病気です。

熱帯地方の国ではそれほど珍しいものではなく、ごくありふれた病気です。誰でもかかるものとして地元の人にはよく知られています。

日本のアメーバ赤痢

以前の日本ではアメーバ赤痢になる人は少なく、わりと珍しいものでした。

1990年代の報告数としては、年間100~200人くらいです。

しかし、2000年以降は急増しています。2013年には報告数だけで年間1000件を超えました。ゲイの人たちを中心に感染が広がっていると思われます。

赤痢アメーバに感染しても9割は無症状なので、実際の感染者としては数万人はいると推測できます。

また、症状が出ない人が多いため感染も広がりやすいです。

今後も増加していく可能性もあるため注意が必要です。

アメーバ赤痢の症状

潜伏期間

アメーバ赤痢の潜伏期間は2~4週間くらいです。

しかし、感染してもずっと無症状のことが多く、潜伏期間が数ヶ月から数年となることもあります。

無症状

また、赤痢アメーバに感染しても9割の人は無症状です。

発症の仕方や発症するかどうかには個人差があり、感染した人の免疫力によっても変わってきます。

自然治癒することもありますが、赤痢アメーバが長く体内に残ることも多いです。

症状

  • 血液や粘液の混じったイチゴゼリー状の便
  • 便の状態はいろいろ
  • 1日数回~20回の排便
  • 排便したいのに何もでない
  • 腹痛・腹部の不快感
  • お腹が張る
  • 体重減少
  • 貧血
  • 発熱することはほとんどない

アメーバ赤痢の主な症状はこのようなものです。

数日から数週間の周期で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

腹痛は強くはないことがほとんどですが、重苦しい感じや不快感があります。

また、お腹にガスがたまって膨らみ、お腹が張ることもあります。

下痢が続くために体重が減少したり、貧血がみられることもあります。

アメーバ赤痢では発症してもほとんどが軽症で、普通の日常生活が可能なことが多いです。

発熱することもあまりありません。

糞便

血液と粘液の混じった下痢状の便がアメーバ赤痢の特徴です。

重症化するとイチゴゼリーやイチゴジャムのような便になります。

そして、出すものがないのに急いでトイレに行きたくなり、1日に10回以上トイレに行くような人もいます。

水のような下痢と血液・粘液のまざった便を交互に繰り返すことも多いです。

しかし、このように重症化し、激しい下痢となることは少ないです。

便の状態としては、形が残るような軟便から水のような激しい下痢まで様々です。便に粘膜と血の斑点が少し混ざるくらいの軽症のことも多いです。

便に血があまり混ざらないこともあります。

ちょっとトイレの回数が増えて、便に血が混じるくらいの症状となることも多いため、痔かなにかと勘違いする人も少なくありません。

感染した本人もそれほど気にならないため病院にも行かず、そのまま放っておかれることも多いです。

重症化

アメーバ赤痢では症状が軽いことがほとんどです。

しかし、まれに重症化して体中に赤痢アメーバが広がったり、激しい脱水症状により衰弱するなどして命にかかわることもあります。

また、アメーバが腸に穴をあけて盲腸(虫垂炎)のような激痛をひきおこすこともあります。このような場合には緊急の手術が必要となります。

もう一つの症状 肝膿瘍

肝臓に膿ができることもあるよ

アメーバ赤痢では、たまにアメーバが血液の流れから肝臓に入り込むことがあります。

この場合、アメーバ性の肝膿瘍(かんのうよう)になり、肝臓に膿の固まりが作られます。

アメーバ性肝膿瘍は特に男性に多く、女性の7~10倍くらい発症しやすいです。

  • 発熱
  • 寒気
  • 寝汗
  • 上腹部の痛み
  • 吐き気・嘔吐
  • 体のだるさ・食欲不振

赤痢アメーバによる肝膿瘍の症状はこのようなものです。

アメーバ性肝膿瘍の症状で一番多いのが発熱です。38~39℃くらいとなることが多いです。

発熱にともない寒気や体のだるさもでます。

初期には腹痛がおこらないため、風邪と間違われることが多いです。

しかし、しばらくすると腹痛などが出始めるために、風邪ではないことがわかります。

肝膿瘍は肝臓の右側に発生しやすいため、腹痛はみぞおちから右脇腹にかけておこることが多いです。右肩周辺の痛みとなってあらわれることもあります。

他には、吐き気や嘔吐があったり、痰を伴う咳がでることもあります。

感染経路

口から感染するよ

赤痢アメーバには、シスト(卵)が口から入ることにより感染します。

  • 熱帯地域への海外渡航者
  • 男性同性愛者
  • 風俗で働く女性
  • 知的障害者施設に入っている人

アメーバ赤痢が感染しやすいのはこのような人たちです。

食べ物

東南アジアなどの熱帯地域では、食べ物から感染することがあります。

感染者の糞便が原因です。赤痢アメーバに感染している人の糞便には、大量のシストが含まれています。

地域によっては排便のときに、排便したお尻を手と水でぬぐったり、手を石鹸で洗う習慣がないところもあります。

このような人が調理をして食べ物にアメーバ赤痢が付着します。

また、シストは数週間くらい生き残ることもあるため、人糞を肥料とした野菜には最初からシストが付着していることもあります。

上下水道が整備されていない地域では、飲み水が人糞で汚染されていることもあります。

このため、生野菜・フルーツ・生魚・生肉・水・氷など、加熱されていない食べ物・飲み物などが汚染されて、それを食べることにより感染します。

性行為

アメーバ赤痢には、性行為で感染することもあります。

肛門の周辺にいたアメーバが、口の中に入ることによって感染します。

肛門をなめるリミングは危ないです。アナルセックスを行ったあとに、フェラチオを行うことも危険です。

ゲイ・バイの人たちや風俗産業で働く女性では、症状がなくても感染している人がいます。

特に、普段からアナルセックスを行うことが多い男性同性愛者では、赤痢アメーバ感染者が非常に多いです。

また、このような赤痢アメーバに感染している人では、HIVや梅毒、B型肝炎などに同時に感染していることも多いため注意が必要です。

男女間の性行為でアメーバ赤痢になる人は少ないです。しかし、最近は一般の男性・女性でも増加傾向にあるため、油断はしないほうがいいでしょう。

知的障害者施設

知的障害のある人たちが入っている施設でも、赤痢アメーバ感染が広がることがあります。

障害があるために便をもらしたり、食べ物以外のものを口にいれてしまう人たちもいるからです。

このため、衛生管理がしっかりした施設であっても、アメーバ赤痢が広がることがあります。

動物

赤痢アメーバは人だけでなく動物にも感染します。

犬・猫・ネズミ・ブタなどに感染して下痢を引き起こします。

また、熱帯地域からペットとして輸入されているサル・トカゲ・ヘビなどでは、赤痢アメーバにすでに感染していることもあります。

動物から感染することはあまりないとは思いますが、動物から人に感染する可能性もなくはありません。

予防法

清潔にすることが大切だよ

  • 手洗いをしっかりする
  • 飲食物は加熱する
  • カットされている果物は避ける
  • ペットボトル・缶入りの飲料を飲む
  • 肛門を使う性行為には気をつける

赤痢アメーバの感染予防にはこのようなことが大切です。

赤痢アメーバのシストは湿った環境には強いですが、乾燥や熱には弱いです。食べ物をしっかり加熱することは非常に有効です。

熱帯地域ではどのような食べ物でも、汚染されている可能性があると思っていたほうがいいでしょう。生水・生ものはできる限り避けたほうがいいです。

性行為で肛門を使うような行為をするような人では、不衛生な行為はなるべく避けたほうがいいでしょう。

性行為の前に手を洗ったり、コンドームを使ったりすることで感染する確率は減ります。

診断・治療

問診

アメーバ赤痢の診断では海外渡航暦や、男性同性愛者かどうか、風俗に勤めているなどの情報が有効になることがあります。

日本ではアメーバ赤痢に感染する人はあまり多くはありません。

アメーバ赤痢と同じような症状がでる病気にはいろいろあり、アメーバ赤痢にはその中でもかなり少ないほうです。

同じような症状の場合は、間違った診断が下される可能性が高くなります。アメーバ赤痢に感染しやすい環境にいたかどうかを知ることは重要です。

お医者さんからは聞きづらいこともあるため、アメーバ赤痢が心配な人は自分のことを積極的に話したほうがいいでしょう。

顕微鏡検査

アメーバ赤痢の検査では、便の検査が最も一般的です。

アメーバ赤痢感染者の便を顕微鏡で見ると、活発に動いている赤痢アメーバを発見することができます。

しかし、赤痢アメーバが便の中に排出されないときもあり、顕微鏡でアメーバを見つけるのはなかなか難しいです。

このため、顕微鏡検査を何回も行うことも多いです。

血液検査

アメーバ赤痢では血液検査を行うこともあります。

赤痢アメーバ感染者には血液中に抗体ができます。このため、血液を検査することで赤痢アメーバの感染がわかることもあります。

血液検査は、アメーバ性肝膿瘍には有効な検査方法です。

ただ、アメーバによる大腸炎では、感染していても陽性にならないことがあります。

また、過去に感染したことがある人では、現在は感染していなくても陽性となってしまうことがあります。

このため、血液検査だけでは感染を確定することは難しいことが多いです。

CTスキャン・腹部エコー

アメーバ性肝膿瘍では、CTスキャンや腹部エコーを行うこともあります。

肝膿瘍になっていれば、肝臓に丸い影がうつります。

しかし、肝膿瘍は赤痢アメーバ以外でも起こるので、それだけでは断定することはできません。

このため、CTスキャン・腹部エコーは補助的な検査として行われます。

薬を試しに服用

肝膿瘍が発見されたけれども原因がわからない人の場合、試しにアメーバ赤痢の薬を投与してみることもあります。

薬が効いて症状がなくなるようであれば、アメーバ性の肝膿瘍であることが判明します。

治療

アメーバ赤痢になったとしても、普通は通院での治療が可能です。

主にメトロニダゾール(フラジール)という薬が使われ、10日ほどの服用で治ります。アメーバ性肝膿瘍の場合はもう少し長くかかるかもしれません。

メトロニダゾールはトリコモナス・細菌性膣炎、ピロリ菌駆除などでも使われる薬です。妊婦さんは使用することができません。

服用すれば数日で症状は治まりますが、再発を防ぐために10日ほど続ける必要があります。

しかし、アメーバ赤痢では服用する量が多く、吐き気や嘔吐といった副作用が非常に出やすいです。

また、服用時には禁酒が必要で、もしお酒をのんでしまうと頭痛やめまいといった副作用がおこります。

他の治療としては、脱水症状のある人に点滴で体液を補充することもあります。

細菌性赤痢との違い

細菌でおこる赤痢もあるよ

赤痢には「細菌性赤痢」と「アメーバ赤痢」の2種類あります。

ただ、赤痢といえば普通は「細菌性赤痢」のことをいいます。

昔の細菌性赤痢は、動けなくなるほどの激しい下痢や腹痛が代表的な症状でした。「赤痢」と聞けば誰でも思い浮かぶような、非常に症状の重い赤痢が多かったです。

しかし、最近では激しい症状がでる赤痢はほとんど見られなくなりました。症状の軽いものがほとんどです。

症状の軽い細菌性赤痢では、血便がでることも少なく、軟便や微熱くらいですむことが多いです。感染しても無症状のこともあります。

戦後は日本でも毎年10万人以上が赤痢に感染していました。

しかし、1960年代からは激減しています。最近では年間200~600人くらいにまで減っています。

2つの赤痢との違い

1日に何回も排便を繰り返す、便に血液や粘液が混じる、水や生野菜などから感染する、このような症状・感染経路はアメーバ赤痢も細菌性赤痢も同じです。

それでも、細菌性赤痢とアメーバ赤痢にはいくつかの違いがあります。

感染源

細菌性赤痢はアジア地域など海外での感染がほとんどです。国内で感染する人は少ないです。

これに対して、アメーバ赤痢は国内で感染する人もかなりいます。

また、日本ではアメーバ赤痢に性行為で感染する人が多いですが、細菌性赤痢ではそのようなことはありません。

潜伏期間

細菌性赤痢の潜伏期間は、1~3日と非常に短いです。

アメーバ赤痢の潜伏期間は、普通は2~4週間ぐらいと長いです。数年のような長期に及ぶことさえあります。

発熱

細菌性赤痢では、38~39℃くらいの高熱となることが多いです。

これに対してアメーバ赤痢では、発熱することはほとんどありません。もし発熱するとすればアメーバ性の肝膿瘍を発症したときです。

便の状態

細菌性赤痢の便は、粘液と血液がわかれて出ることが多いです。

アメーバ赤痢では、粘液と血液が混じったイチゴゼリーのようなの便が出ることがあるのが特徴です。

保健所の対応

日本では細菌性赤痢が発生した場合、法律によって感染者は隔離されます。また、周囲にいた人も保健所の調査を受けることになります。

しかし、アメーバ赤痢では現在はそのようなことはありません。入院が必要ないことも多く、通常の生活が可能です。

治療方法

細菌性赤痢とアメーバ赤痢では有効な薬が異なるため、同じ薬で治すことはできません。

性病検査キット

自分で検査できるよ

性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。

ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。

そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。

性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。

 >> 性病検査キットの良い点・悪い点

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