A型肝炎の症状と感染経路

性行為で感染することもあるよ

A型肝炎は肝炎の一つです。

初期症状は風邪に似ていますが、しばらくすると肝炎特有の症状が出はじめます。

食べ物から感染することがほとんどですが、肛門を使った性行為でA型肝炎に感染することもまれにあります。

このページではA型肝炎の症状や感染経路などについて解説します。

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A型肝炎とは

ウイルスによる肝炎の一つだよ

A型肝炎は肝炎の一つで、A型肝炎ウイルスが原因です。

感染してしばらくすると急性肝炎を発症します。

A型肝炎ウイルスは急性肝炎の主な原因の一つで、日本では急性肝炎のうち20~40%くらいを占めています。

そして、A型肝炎には経口感染するという特徴があります。

このため、アナルセックスを行うことの多い男性同性愛者(ゲイ・バイ)を中心として、性行為でA型肝炎に感染する人もたまにいます。

名前の由来

A型肝炎という名前は、もう一つの肝炎であるB型肝炎と区別するためにつけられた名前です。

昔は肝炎は一つの病気と考えられていましたが、研究によって原因となる肝炎ウイルスが2種類あることがわかりました。

このため、潜伏期間が短く経口感染するものをA型肝炎、潜伏期間が長く血液感染するものをB型肝炎と呼ぶことにしました。

その後、もっと多くの肝炎ウイルスが発見されたため、現在ではC、D、E、F、G型まで名前がつけられています。

このうち、日本で感染者が多いのはA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎の3つだけです。他の肝炎が発生することは非常に少ないです。

感染状況

発展途上国では広く蔓延している

世界では毎年140万人のA型肝炎患者が発生しています。

上下水道の整備が遅れた、衛生状態の悪い国で発生することが多いです。

また、地域によってはたまに大規模な集団発生がおこることもあり、1988年には上海では30万人のA型肝炎患者が発生しました。

発展途上国

発展途上国では現在でもA型肝炎が広く蔓延し、ほとんどの人たちは子どもの頃にA型肝炎に感染します。

しかし、小さい子どもではA型肝炎に感染しても症状がほとんどでないため、途上国の人たちは皆、自分たちの知らないうちに感染しています。

そして、一度感染すれば終生免疫が得られるので、A型肝炎に二度と感染することはありません。

このため、途上国ではA型肝炎はたいした問題にはなりません。

先進国

A型肝炎が蔓延している発展途上国とは逆に、衛生環境のよい先進国ではA型肝炎は激減しています。

このため、免疫をもっていない人が非常に多く、たまに輸入食材などが原因と思われるA型肝炎が発生しています。

日本

日本も昔は衛生環境が悪く、A型肝炎は珍しいものではありませんでした。

高度経済成長の前くらいまでは広く蔓延していました。

60歳以上の人では防御抗体をもっている人も多く、80歳以上ではほとんどの人が防御抗体をもっています。

現在の途上国のように、小さい頃に誰でも感染していたと考えられます。

しかし、現在の日本では衛生環境がよくなったため、A型肝炎に感染するのは一部の人だけです。

A型肝炎の症状

高熱がでやすい

A型肝炎の潜伏期間は15~50日(平均30日)くらいです。

潜伏期間を過ぎると、前触れなどはなく突然に発症します。

初期症状は風邪のような症状です。

このため、初期には急性肝炎とは気付くことは難しいでしょう。

また、症状のでかたには個人差があり、軽症の人から重症の人まで様々です。

感染しても10~25%の人は無症状といわれています。

  • 38℃以上の発熱
  • だるさ・倦怠感・食欲不振
  • 寒気
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢
  • 関節痛・筋肉痛
  • 褐色の尿
  • 黄疸(おうだん)
  • 白い便
  • 右脇腹の痛み

A型肝炎の主な症状はこのようなものです。

A型肝炎では38℃以上の発熱となることが多く、2~3日くらい続きます。

発熱に伴って寒気や吐き気・嘔吐、下痢、関節痛、筋肉痛などがおこります。

また、症状が重い場合には、何をする気力もなくなって動けなくなるほど強烈なだるさ・倦怠感となることもあります。

このような発熱や倦怠感などの症状は風邪などでもよく見られる症状です。

しかし、この風邪のような症状が1週間くらい続いた後で、褐色尿が見られるようになります。

褐色尿は濃い紅茶やコカコーラのような色の濃い尿で、時間と共にだんだん濃くなっていきます。

そして、そのあとしばらくして黄疸がでるようになります。

黄疸とは肝炎に特有の症状で、皮膚や眼球の白目の部分が黄色くなる現象です。この黄疸が出る期間は人によって異なりますが、普通は2~4週間くらい続きます。

しかし、黄疸が出るのは治りはじめる合図なので、黄疸がでると症状はだんだんと消えていき体調も良くなっていきます。

他の症状としては、便がうすく白っぽくなったり、右わき腹の周辺(肝臓のある場所)に痛みがあらわれることもあります。

劇症肝炎

このA型急性肝炎では極めてまれに、肝臓全体の細胞が死滅するような劇症肝炎になることがあります。

この劇症肝炎では助からないことが多いですが、A型肝炎で劇症肝炎になることは極めてまれです。

劇症肝炎になるのは、A型急性肝炎を発症した人の0.1%ぐらいと考えられます。

ウイルスによる急性肝炎

このような急性肝炎の症状は、B型肝炎やC型肝炎の感染でもみられる症状です。

しかし、B型肝炎・C型肝炎に比べて、A型肝炎は高熱などの自覚症状が強く出やすいです。

その代わり、B型肝炎・C型肝炎よりもA型肝炎のほうが早く治ります。

 

診断・治療

診断

A型急性肝炎になっても最初は風邪のような症状しかでません。

このため、A型肝炎かどうかは最初はお医者さんでもわかりません。

A型肝炎の症状にはかなりの個人差があるため、単なる風邪だと勘違いして、寝ているだけで治ってしまう人もかなりいると思われます。

このような場合は感染したことにすら気付かないでしょう。

しかし、ものすごく症状が重くなったり、黄疸がでたような場合には血液検査が行われます。

血液を調べれば肝炎をおこしていることがわかり、その後さらに詳細な検査が行われてA型肝炎であることが判明します。

治療

A型肝炎は自然治癒することが多い病気です。特別な治療法・薬はありません。

それでも、検査でA型肝炎であることがわかったり、黄疸がでているような場合には普通は入院となります。

入院では、肝臓に血液が流れるように安静にして、肝臓の回復を待つことになります。

タンパク質の多い食事を避けて、肝臓の負担を減らすなど食事制限をおこなったりもします。

食欲不振など衰弱が激しい場合には、点滴で体液を補うこともあります。

このようにA型肝炎の治療では特別な治療が行われることはありませんが、劇症肝炎のように非常に症状が重い場合には、薬物による治療が必要となることもあります。

その後、劇症化の危険がなくなり、普通に食事ができるようであれば退院ができます。

退院後は1~2週間安静にしていれば、通常の生活が可能です。

それでも、肝機能が完全に回復するには、普通は2ヶ月くらいかかります。その間はお酒などは肝臓に負担のかかるため、しばらく禁酒が必要となります。

キャリア化しない

A型肝炎はB型肝炎・C型肝炎のように慢性化・キャリア化することはありません。

キャリア化しないので、A型肝炎では肝硬変や肝臓がんになることはありません。

このため、ある意味ではA型肝炎ウイルスは、それほど怖くはないウイルスともいえます。

また、一度感染すると防御抗体ができるため、再びA型肝炎になることもありません。

日本人の感染経路

性行為で感染することもあるよ

A型肝炎は汚染された水や食物を食べることによって、経口感染することがほとんどです。

口から入ったウイルスは、肝臓にたどり着きそこで増殖を始めます。

そして、増えたウイルスは便と共に排出され、食べ物に混入するなどして再び人に感染します。

このようにA型肝炎は経口感染するため、血液感染するB型肝炎・C型肝炎とは感染経路が全く異なっています。

生ガキ

A型肝炎には、ウイルスに汚染されたカキ・ハマグリなどの二枚貝や魚介類を、生で食べることで感染することが多いです。

特に日本国内では生で食べることが多い生ガキが、主な感染原因といわれています。

この生ガキなど貝類の汚染というのは、下水などから海へ流れたウイルスが、貝類の体内で濃縮されるためにおこるものです。

日本では下水道が整備されていますが、現在でも普及率は76%にとどまっているため、完全に汚染を防ぐことはできません。

国内のカキの1%がA型肝炎ウイルスに感染しているという報告もあります。

ただ、実際に貝類に含まれるウイルスの量は多くはないため、A型肝炎を引き起こすぐらいのウイルスをもっているカキはごく一部と思われます。

また、以前はA型肝炎には季節性があり、発症する時期が冬から春に集中していました。

これは生ガキのシーズンである秋から冬にかけて感染し、その後しばらくしてからA型肝炎を発症することが原因だと考えられます。

しかし、最近では海外でA型肝炎に感染する人も増え、A型肝炎は季節に関係なく1年中発生しています。

カキ以外の食品

また、国内では生の貝類以外でもA型肝炎に感染することがあります。

調理した人がA型肝炎に感染していた場合です。この場合、手洗いなどが不十分だと食品が汚染されるため感染が発生します。

このようにA型肝炎には、カキや調理者などが原因となって、水・食べ物から感染することが多いです。

水・食べ物を通さない限り感染することはあまりありません。

感染者との軽く接触したぐらいでは普通は感染しないでしょう。

家庭内感染

A型肝炎は感染力が強いため、家庭内では感染者が発生するとその家族が感染することも多いです。

これはA型肝炎に感染した人が気づかないうちにウイルスを排出し続けることが原因です

同様に、A型肝炎の患者さんのいる病院でも、他者への感染が発生することもまれにあります。

性行為

A型肝炎の感染経路としては水・食べ物からの感染がほとんどです。

しかし、性行為でA型肝炎に感染することもたまにあります。

特に男性同性愛者(ゲイ・バイ)の人たちは、感染することが多くなるため注意が必要かもしれません。

この場合、アナルセックスを行った後のフェラチオや、アナルを舐めるリミングのような行為でA型肝炎に感染します。

海外

A型肝炎は国内で感染する人が多いですが、A型肝炎患者の3分の1くらいの人は海外で感染しています。

生水・氷や生の魚介類・フルーツなど十分に熱の通っていない食べ物が原因です。

そして、感染者のほとんどが中国やインドなどのアジア地域への渡航者です。

また、韓国でも近年はかなり大規模がみられるため注意が必要でしょう。

A型肝炎にならないためには

生ものには気をつける

  • 食事の前にはきちんと手洗いをおこなう
  • 途上国では十分に加熱された食べ物を食べる
  • 貝類の生食には注意する
  • 肛門を使った性行為には注意を払う
  • ワクチンを接種する

感染の予防にはこのようなことが大切です。

A型肝炎は感染経路のほとんどが水や食べ物による感染です。

しかし、性行為で感染することもないとはいえません。

肛門をなめるなどの行為はできる限り避けたほうがいいでしょう。

ワクチンでの予防も可能

A型肝炎は予防が可能

A型肝炎には優れたワクチンが存在しています。

ワクチンを接種しておけばほぼ完全に予防が可能です。

ただ、ワクチンには保険はきかないため、全額自己負担となります。

  • 海外への渡航を予定している人
  • 医療関係者
  • 肝臓に疾患をもっている人
  • 男性同性愛者

ワクチンを接種したほうがいいのはこのような人です。

特に海外への渡航をする人はワクチン接種が薦められます。

海外では意思疎通が上手くいかなかったり、医療機関が充実していないなど不便なことが多い可能性があるからです。

抗体検査

ワクチンを接種する前には、抗体検査を行う必要があります。

この検査で陽性であれば過去に感染していたり、過去のワクチンの予防効果が残っていることを示しています。

この場合、ワクチンは必要ありません。

ワクチン

ワクチンには大きく分けて2種類あります。

国産のワクチン(エイムゲン)と海外で使われているワクチン(Havrixなど)です。

どのワクチンも安全性の優れたワクチンで副作用も少ないです。

エイムゲン

エイムゲンは合計で3回の接種が必要です。

生産本数が限られているため不足ぎみになり、接種できないことも多いです。

値段的には1回6千円から1万円ぐらいです。3回接種すれば2~3万円くらいかかります。

エイムゲンは接種してから5年間有効です。5年が過ぎた場合には接種しなおす必要があります。

それでも、実際には20年くらいは有効ではないかという意見もあります。

Havrix

Havrixは世界的に広く使われているA型肝炎ワクチンです。

2回の接種で20年くらい有効です。

日本では未承認ですが、個人輸入している病院も多いため、国内でも普通に接種が可能です。

ただ、副作用がでた場合には国の補償が受けられないという欠点があります。

この場合、メーカーの補償のみとなるため、金額が安くなってしまいます。

また、海外のワクチンにはHavrix以外の種類もあります。

性病検査キット

自分で検査できるよ

性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。

ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。

そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。

性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。

 >> 性病検査キットの良い点・悪い点

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