成人T細胞白血病(性行為で感染することもあるHTLV-1)

男性から女性に感染するよ

成人T細胞白血病はHTLV-1というウイルスが原因の病気です。主に母乳を通して赤ちゃんが感染します。

女性の場合は性行為でHTLV-1に感染することもあります。

この場合、成人T細胞白血病を発症することはほとんどないのですが、まれに下半身に異常がでるHTLV-1関連脊髄症という難病を発症することがあります。

このページではHTLV-1感染について解説します。

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HTLV-1というウイルス

感染者はかなり多いよ

HTLV-1は成人T細胞白血病を引きおこすウイルスです。

感染すると成人T細胞白血病だけでなく、HTLV-1関連脊髄症という病気を発症することもあります。

感染するのは主に赤ちゃんです。母親からの授乳を通して感染します。

性行為でも感染することがありますが、この場合は成人T細胞白血病が発症することはほぼありません。ただ、下半身に異常のでるHTLV-1関連脊髄症は発症する可能性があります。

ウイルス

人に感染したHTLV-1は、血液やリンパ節のT細胞に入り込みずっと生き続けます。

現在のところ体内に入り込んだウイルスを排除する方法も見つかっていませんし、成人T細胞白血病などを発症を抑える方法も存在していません。

しかし、HTLV-1に感染しているだけなら体は全く健康な状態なので、発症しない限りは治療や通院の必要はありません。

100万人の感染者

HTLV-1は古くから人類と共に存在していたと考えられているウイルスです。

日本には日本国民の約1%、108万人くらいの感染者がいると推定されています。

感染者はある特定の地域に偏っていて、日本では九州、沖縄、四国の一部の地域に特に多いです。

しかし、最近では感染者が全国に広がっていて、特に大都市圏で増えています。

このため、現在では母子感染予防策がとられるようになり、新しく感染する人は減少傾向にあります。

このままいけば国内のHTLV-1感染者はいつかほとんどいなくなると考えられます。

感染を調べるための検査

HTLV-1に感染しているかどうかは血液検査で確認が可能です。

主に妊婦検診や献血で検査が行われています。

それ以外でも検査を希望する人には医療機関などで検査が可能です。

原因・感染経路

母子感染がほとんど

成人T細胞白血病の原因はHTLV-1というウイルスです。

HTLV-1に感染したTリンパ球が体内に大量に入ってこない限り感染することはないため、普通の日常生活の中で感染することはありません。感染力は非常に弱いです。

性行為で感染することはありますが、キスでは感染はしません。

母子感染

HTLV-1は感染経路のほとんどは母子感染です。

母乳中に含まれるHTLV-1が授乳を通して赤ちゃんへ感染します。

HTLV-1キャリアの母親が母乳で赤ちゃんを育てた場合、20%の赤ちゃんが感染するというデータがあります。

原因が母乳であるため、赤ちゃんを人工のミルクで育てることで、赤ちゃんへの感染はほとんどが予防できます。

ただ、母乳以外でも出産時に感染することもまれにあります。これは出産が長引いた場合に胎児に母親の血液が流れることがあるためで、赤ちゃんへの感染を完全に防ぐことはできません。

性行為

性行為でHTLV-1に感染することもあります。

ほとんどが男性から女性への感染で、女性から男性への感染はきわめてまれです。

これは男性の精液にHTLV-1が多く含まれているのに対して、女性の膣分泌液にはHTLV-1がほとんど含まれていないからです。

どのくらいの確率で感染するかは詳しくはわかりませんが、男性から女性へは結婚2年で20%くらいの感染率があるという報告があります。

HTLV-1に感染している男性の妻など、HTLV-1感染者との長期間の性行為がある女性に感染することが多いです。

予防についてはコンドームが非常に有効で、きちんとつかえばほぼ100%予防が可能になります。

ただ、HTLV-1は精液に含まれているため、妊娠を希望する場合には予防する方法がありません。

輸血

HTLV-1には輸血でも感染することがあります。

しかし、現在ではスクリーニング検査が行われているため、輸血で感染することはほぼ無いでしょう。

成人T細胞白血病(ATL)

治療の難しい病気

成人T細胞白血病は血液のガン(悪性リンパ腫)です。

ただ、白血病の一つではあるのですが、通常の白血病・悪性リンパ腫とは異なる特殊なタイプとなっています。

そして、成人T細胞白血病はあまり発症しないという特徴があります。

HTLV-1感染していても成人T細胞白血病を発症する人のほうが少なく、生涯の発症率は5%くらいです。残りの大部分95%の人は死ぬまで発症することはありません。

潜伏期間も40年以上と長いです。40歳以上の人には発症することがありますが、実際に発症する年齢としては60~70代ぐらいが一番多くなっています。

発症するとリンパ節の腫れ、だるさ、発熱、発疹などがおこり、免疫力が極端に下がるために普通の人ではかからないようなさまざまな感染症を発症します。

治療としては抗がん剤治療や造血幹細胞移植などが行われていますが、あまり効果がないことが多く治らないことがほとんどです。

発症した場合の平均余命は1年未満で、ほとんどの人は数年以内に亡くなっています。

性行為では発症しない

このHTLV-1は性行為で感染することもあります。

ただ、性行為によってHTLV-1に感染した人で成人T細胞白血病を発症したという報告がありません。

つまり、乳幼児期にHTLV-1に感染した人と異なり、大人になってから感染した人では成人T細胞白血病には非常になりにくいと考えられます。

このため、性行為によるHTLV-1感染では成人T細胞白血病の心配はいらないでしょう。

HTLV-1関連脊髄症(HAM)

下半身に異常がでる難病だよ

HTLV-1に感染すると、HTLV-1関連脊髄症を発症することもまれにあります。

下半身に異常がでる難病です。

HTLV-1に感染したTリンパ球は脊髄に入り込み、炎症をおこすことがあります。この炎症が長期間続くため、神経細胞が傷つけられ障害がでると考えられています。

成人T細胞白血病とは無関係

HTLV-1関連脊髄症は成人T細胞白血病と同じくHTLV-1が原因ですが、成人T細胞白血病とは全く別の病気です。同じウイルスが原因という以外の関係はありません。

また、成人T細胞白血病のように命に関わることもありません。

ただ、成人T細胞白血病とは異なり、大人になってからHTLV-1に感染した人でも、HTLV-1関連脊髄症を発症することがあります。

つまり、性行為で感染して発症することがある病気の一つです。

主な症状

主な症状は下半身の麻痺による歩行障害、排尿障害、便秘などです。

ゆっくりと進行していくことが多いですが、進行の仕方には個人差があります。急激に悪化し寝たきりになる人からほとんど進行しない人まで様々です。

低い発症率

生涯の発症率は0.3%くらいと極めて低いですが、日本では3000人ぐらいの患者さんがいます。

潜伏期間は数年以上といわれていて、若い人でも発症することがあります。

男性より女性に発症しやすいという特徴もあります。

治療

治りにくい難病ですが、ステロイドを使って炎症を抑える治療法などがあり、症状を軽くし進行を遅らせることも可能になっています。

両足の筋力も低下してしまうため、運動やリハビリも必要です。

ぶどう膜炎(HU)

目の病気だよ

HTLV-1は他にも病気を引きおこすことがあります。

眼球の膜の一つであるぶどう膜の炎症、ぶどう膜炎です。

ぶどう膜炎はいろいろなウイルスや細菌が原因となりますが、HTLV-1もそれらの原因のうちの一つです。

HAMと同様に大人になってからHTLV-1に感染した人でも発症することがあります。

ただし、発症はきわめてまれで発症するのはキャリアの0.1%くらいです。

虫が飛んでいるように見えたり、眼のかすみ、充血、視力の低下などの症状があります。

治療をすればほとんどは治りますが、再発することも多いです。

性病検査キット

自分で検査できるよ

性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。

ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。

そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。

性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。

 >> 性病検査キットの良い点・悪い点

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