HIV/エイズの感染経路

男性から男性への感染が多いよ

HIVの日本での感染経路についての解説です。

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HIVの含まれる体液と3つの感染経路

HIVの含まれている体液

  • 血液
  • 母乳
  • 膣分泌液
  • 精液
  • 先走り液

HIV(エイズウイルス)が多く含まれている体液です。この体液が体内のリンパ、血液の流れに入るとHIVに感染する可能性があります。

先走り液は男性が性的興奮を感じた際にペニスからでる液で、性行為・射精の働きを良くすると考えられています。カウパー液、カウパー腺液ともいいますね。

「他にも直腸の粘膜の粘液にも含まれているのではないか」ともいわれています。

HIVの含まれない体液

  • 唾液
  • 尿
  • 鼻汁
  • 便

これらの体液などに含まれるウイルスは微量です。これらを通して感染することはありません。

3つの感染経路

  • 性行為
  • 血液感染
  • 母子感染

HIVの実際の感染経路としてはこのようなルートがあります。

ただ、日本では99%以上の人は性行為で感染しています。(感染経路が不明という人を除く)

HIVの血液感染や母子感染の割合は非常に少ないです。

粘膜と皮膚

粘膜からの感染 8割
皮膚・血管からの感染 2割

HIVの感染原因の99%は性行為ですが、更にそのうち8割は粘膜からの感染です。

  • 口の中
  • 目の裏側
  • 亀頭の下から尿道
  • 直腸

主な粘膜です。これらの粘膜からはHIVは侵入しやすいです。

ただ、口の中、目の裏側、亀頭などは、粘膜でも割と厚い細胞なので感染しにくいといえます。唇なども粘膜ですが非常に丈夫です。

逆に、尿道、亀頭のカリのすぐ下の部分、子宮頚部(膣の一番奥)、直腸などは非常に粘膜が薄く、HIVが取り込まれやすい細胞が多い部位です。摩擦により傷もつきやすいため感染リスクも高くなります。

普通の皮膚の場合は粘膜とは反対で、細胞の層が厚く一番外側に厚い壁があります。そのため皮膚では、血が出るくらいの深い傷、しみる・ヒリヒリする傷だと感染のリスクが高まりますが、浅い傷の場合は感染リスクは低いです。

直腸

アナルセックスはリスクが高いね

性行為の中でもアナルセックスは最もHIV感染リスクが高い行為です。

直腸の粘膜は非常に薄く傷つきやすいです。ピストン運動などにより簡単に傷つき、HIVが非常に侵入しやすくなります。

コンドームを適切に使用すれば予防できます。また、直腸や肛門を傷つけない為にもローションやジェルなどで保護するといいでしょう。

やむを得ずコンドームを使用しない場合でも、射精を直腸の中で行うのはやめたほうがいいです。

もし、直腸に精子を出してしまった場合は、自然に出来るだけ出してみるといいでしょう。HIVの量が少ないほど感染リスクは低くなるからです。

ただし、直腸を強引に水で洗ったり、指を入れて無理やり精子を出すような行為は直腸を傷つけ、かえって感染リスクが高まるのでやめたほうがいいでしょう。

若い人が感染しやすい

女性の場合、子宮頚部は粘膜が薄いためHIVが侵入しやすくなっています。

子宮頚部とは膣の奥にある子宮への入り口の部分で、膣の奥に粘膜が露出しています。

特に20代前半までの若い世代は、露出している子宮頚部の部分が多いため感染のリスクが高いです。また、閉経前後でも子宮頚部の粘膜が薄くなるため感染しやすい傾向があります。

膣の場合も予防にはコンドームが有効です。

コンドームを使用できなかった場合でも、膣の外で射精をすることでHIV感染リスクは低くなります。

膣を洗うと感染リスクは下がるよ

膣の中に精液を出してしまった場合には、膣の中を水で洗い流すといいでしょう。HIVの量・接触していた時間と感染リスクは比例するため、感染リスクは下がります。

もし、膣の中で射精が無かった場合でも、膣を水で洗うと感染リスクを下げることが期待できます。先走り液などにもHIVは含まれているからです。

また、性病などで膣に炎症や潰瘍があるときは、HIV感染確率が数倍になることが研究でわかっています。自分に性病の心配があるときは無謀な性行為はやめておきましょう。

あと、ピルに性病予防の効果があると勘違いしている人もいます。ピルは避妊のするには有効ですが、HIVを含むすべての性病に対する予防効果は全くありません。

ペニス

ペニスは割と感染しにくいね

ペニスの場合、直腸や膣に比べるとHIV感染リスクは比較的低いです。

ペニスでHIV感染がしやすい場所は、亀頭のカリのすぐ下の溝のあたりからペニスの中間部ぐらいまでにかけての薄い粘膜の部分です。また、尿道も粘膜は薄く感染しやすいです。

亀頭自体は割りと厚い粘膜ですが、性病などで表面に炎症・傷があると感染リスクは高まります。

ペニスも予防にはコンドームが一番有効ですが、使用しなかった場合でも性行為後に洗い流すことで感染リスクは下がります。

膣分泌液には多量のHIVが含まれていますし、直腸の粘膜の粘液にもHIVが含まれているという報告があります。長時間の接触で感染確率が上がります。

オーラルセックス

フェラチオでもHIVに感染する

フェラチオ・クンニリングス、肛門をなめるリミングといったオーラルセックスでも、HIV感染のリスクはあります。

しかし、もともとHIVは感染しにくいウイルスなので、オーラルセックスで感染することはほとんどないという研究者もいます。

確率なので正確なことは不明なのですが、オーラルセックスで感染する確率は非常に低いことだけは確かです。

ここではオーラルセックスでもHIVに感染する可能性があるという前提で考えていくことにします。

  • フェラチオする側のリスクが高い
  • クンニリングスする側のリスクが高い
  • リミングする側のリスクが高い

女性が男性にフェラチオを行う場合を考えて見ます。

先走り液・精液にはHIVは多量に含まれているため、女性側のリスクが高くなります。

逆に、唾液に含まれるHIVは少ないので、男性の感染リスクは低いでしょう。

ただし、女性の口の中や歯茎に出血があるような場合は、男性側の感染リスクも大きくなります。

オーラルセックスだと口の中の粘膜は厚いため、膣性交やアナルセックスに比べると感染リスクは低いといえます。それでも、口でも感染の可能性はあるということです。

また、大きな傷が無くても歯磨きをすることにより口の中には小さな傷が出来ます。このため、誰にでも感染のリスクはあるといえるでしょう。

コンドームを使う人は少ないね

予防にはコンドームやデンタルダムが有効です。デンタルダムとは歯医者さんなどで使う薄く透明なゴム状のものです。無い場合はコンドームを切って広げても代用になります。

コンドームやデンタルダムが無い場合は、なるべく精子や膣分泌液が口の中に入らないようにする、口の中に吐いている時間を短くすると感染リスクは低くなります。

また、フェラチオの場合は先走り液にもHIVは含まれているので、口の中で精子を出されなくても感染リスクはあります。

血液感染

血液感染はほとんど無いよ

HIV感染者の血液が粘膜や傷などから侵入することにより、HIVに感染することがあります。

  • 針刺し事故
  • 注射の回し打ち
  • 輸血
  • 傷からの侵入

針刺し事故は日本では今のところ発生していません。

アメリカでは2000年ごろまでは針刺し事故は年間数十件程度ありましたが、HIVに有効な薬が多く発見されるようになったためにそれ以降は激減しました。(針刺し事故後に薬をすぐに飲むと感染する確率が下がります。)

薬物の回し打ち

薬物使用者の注射の回し打ちによるHIV感染は、日本では1年間に数件ずつ発生しています。数としては非常に少ないといえます。

傷からの侵入

HIVの含まれた血液が傷から侵入して感染するようなことは、偶然が重ならない限り起こらない状況なので心配するほどのことはありません。たとえ血液に接触したとしても、小さな傷から出るぐらいの血に触れる程度では感染リスクは非常に低いです。

ただ、大きな事故などで多量に出血している怪我人に対応する場合などは、HIVに限らずB型肝炎・C型肝炎などの感染症への感染リスクがあるため注意が必要です。

輸血の安全性

輸血は完全に安全ではないね

輸血用の血液はHIVの検査が行われているため、日本国内における輸血はかなり安全といえます。

しかし、HIV感染初期の場合、血液中のHIVが少なすぎて検査をすり抜ける場合があります。輸血では多量の血液を直接身体に入れるため、輸血する血液中のHIVが少なくても感染するリスクが非常に高くなるからです。

今の日本の感染率では、数年に1度は輸血によるHIV感染者がでる計算です。

検査技術の発達によりすり抜ける血液は少なくなってきているのですが、完全にゼロにすることはできません。輸血用の血液は有効期限が3日という短いものもあり、現在の検査では限界があります。

このため、赤十字では感染リスクのある人は輸血を避けるようにお願いしています。

輸血ではHIV感染したかを知ることはできないので、自分で疑わしいと思う人は輸血はやめておきましょう。

海外での輸血の危険性

海外での輸血する場合、日本国内での輸血よりも感染リスクが高くなる国が多いと考えられます。

感染初期では検査をすり抜けるため、日本より感染者の多い国だと検査をすり抜ける数が多くなります。このため、HIV感染率の低い日本に比べ、外国だと輸血によるHIV感染の確率も高くなる国のほうが多いでしょう。

また、途上国では輸血用の血液への検査の精度が低かったり、適切に行われていない可能性もありますので更に感染リスクが高まることも予想されます。

母子感染

母子感染は極めて少なくなっている

HIV感染者の出産による母子感染を防ぐためには、適切な予防策が必要になります。

経膣分娩で感染しなかった 23人(74.2%) 
経膣分娩で感染した    8人(25.8%)  
帝王切開で感染しなかった 283人(99.3%)
帝王切開で感染した    2人(0.7%)   

日本における出産後の子どもの感染の有無がわかっている356例についての2011年までの報告です。経膣分娩とは赤ちゃんが膣を通って生まれてくることです。

現在では適切な予防策をとった場合、母子感染をする確率は1%以下にまで下がっています。

逆に一切の予防策をとらない場合、母子感染する確率は30~40%くらいあります。

HIV感染者でも出産は可能

このようにリスクはゼロではないですが、HIV感染者の出産が可能になっています。

ただし、HIV感染者の安全な出産には適切な予防策が必要です。

  • 妊娠時のHIV検査
  • HIV感染した妊婦への投薬
  • 帝王切開
  • 新生児への投薬
  • 母乳の禁止

現在ではこのような予防策がとられています。

  • 日本では妊娠時のHIVの検査をほぼすべての妊婦さんに対して行っています。
  • HIV感染した妊婦さんの場合、投薬が成功すると体内のHIVを検査で検出できないくらいまで下げることが可能です。
  • 膣を通る分娩では赤ちゃんが大量の血をかぶることになるため、帝王切開で出産します。
  • 赤ちゃんに投薬をすることにより、感染初期なら身体からHIVを駆逐できます。(針刺し事故などでもこの方法がとられます。)
  • 母乳にもHIVが含まれるために母乳は禁止されます。

夫が感染している場合

夫が感染している場合も出産は可能です。

妻が感染 人工授精
夫が感染 体外受精

妻が感染している場合は人工授精を行います。感染していない男性の精子を女性の子宮に直接注入します。

夫が感染している場合は体外受精を行います。夫の精子からHIVを取り除いたものを妻の卵子に受精させます。数日後に細胞分裂が始まった受精卵を女性の子宮に注入します。

この場合では、精子からウイルスを取り除くという特殊な作業が必要となります。

この方法では赤ちゃんや妻に感染する可能性もあると考えられています。ただ、赤ちゃんや妻に感染したという報告はまだ無く、かなり安全であるようだという報告もあります。

こういう行為・経路では感染しません

感染しない行為

  • 怪我の無い皮膚に血液が触れる
  • 歯医者での治療
  • 病院での注射
  • 理髪店・美容院
  • お風呂
  • プール
  • 洋式トイレ
  • トイレのはね返り
  • 電車・バスのつり革
  • お金
  • ペット
  • 回し飲み
  • 同じ皿・鍋での食事
  • 咳、くしゃみ
  • 軽いキス、握手
  • 抱き合う
  • 蚊・ダニ・ノミ

このような行為では感染することはありません。

避けたほうがいい行為

  • カミソリの共用
  • 歯ブラシの共用
  • クシ・ブラシの共用

カミソリなどの場合は感染するリスクはそれほど高くは無いですが、感染することも考えられるで共用はやめたほうがいいでしょう。

蚊からHIVが感染しない理由

「蚊でHIVに感染しない理由がよくわからない」

これもよく聞く話ですが、蚊によるHIV感染はありえません。

  • 蚊の吸う血液は少量
  • 蚊の吸った血液は逆流しない
  • 蚊の吸った血液は消化されHIVは死滅する
  • 蚊は満腹だと血を吸わない

このような理由から感染することはありません。

マラリアなどは蚊の体内で消化されずに増殖するため感染源になります。しかし、HIVの場合は全くの逆です。

「もし、HIVを含む血を吸ったばかりで満腹の蚊を、傷のある皮膚で殺して血がにじんだような場合はどうなのか?」

これは極端な例ですが、蚊の吸う血液は非常に少量なので感染するリスクはほとんど無いといえます。

「HIVを吸ったばかりの蚊の口の先には、ごくごく微量の血液ぐらいついてるだろうから感染リスクはあるのではないか?」

蚊の吸う血液量は人の感染するために必要な血液量には足りないといわれています。まして、蚊の口に付着したような、肉眼で確認できない程度の血の量では感染することはありえません。

この感染に必要な血液量については、HIV/エイズの日本の感染率と感染確率のページで解説しているのでそちらを参考にしてください。

>>HIV/エイズの日本の感染率と感染確率

性病検査キット

自分で検査できるよ

性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。

ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。

そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。

性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。

 >> 性病検査キットの良い点・悪い点

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