HIV/エイズ 日本の感染率と感染確率

HIVは感染しにくい

HIV/エイズの日本における感染率、感染する確率についての解説です。

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日本の感染状況

日本は増え続けているよ

新規HIV感染者数 1002件
新規エイズ患者数  447件
合計 1449件

2012年新規HIV感染者数・新規エイズ患者数です。

日本では3割の人がエイズを発症してからHIV感染に気付いています。

また、日本のHIV感染者・エイズ患者の累計も合計で2万件を突破しています。HIV感染に気付いていない人もかなりいると考えられ、実際の感染者は2万人よりずっと多いはずです。

新規の感染者数については2007年頃までは増加傾向でしたが、その後は現在まで横ばい状態です。

しかし、これはHIVへの関心の低下から検査をする人がここ数年で減っているだけの話です。それにもかかわらずHIV感染者は減っていません。

つまり、実際には現在でも日本のHIV感染者数は増え続けていると考えられます。

HIVは過去の病気などでなく、今も感染のピークであるといえるでしょう。このまま増え続けていけば、日本もHIV低流行期だとはいっていられない段階が必ずきます。

男性の同性愛者の感染が多いよ

同性間の性行為(男から男、女から女) 66%
異性間の性行為(男から女、女から男) 20%
原因不明 11%
その他  3%

感染者の感染原因の割合です。

HIVは女性から女性への感染はあまりないので、同性間の人はほとんどが男性と考えてもいいです。

異性間(男から女、女から男)が全体の20%しかないのに対し、同性間(男から男)は66%と非常に多くなっています。

日本人の男性同性愛者の数ですが、アンケート結果から68万人と推測した報告もあります。

68万人で計算した場合、日本の男性同性愛者のHIV感染率は2%程度という計算になります。実際にはもっと高くて5%くらいあるという研究者もいます。どちらにしても非常に高い数字です。

同性愛者以外の日本人男性の感染率は0.005%くらいと推測されるので、男性同性愛者(男性間の性行為を行った人)の感染率の高さがよくわかります。

  • 発展場という出会いの場がある
  • 乱交のような行為を行う傾向がある
  • 避妊(コンドーム)の必要が無い
  • アナルセックスは感染の危険性が高い

男性間の性行為を行う人はこのような原因があるために、HIV感染のリスクが非常に高くなっているのだと考えられます。

女性の感染は少ない

  • 男性(女から男へ感染) 234件
  • 女性(男から女へ感染)  60件

2012年の新規HIV感染・エイズ患者のうち、異性との性行為(男から女、女から男)が原因の感染者の数です。

女性のほうが明らかに少なくなっています。男女の性的な行動・傾向の違いも女性の感染者が少ない原因の一つであると思います。

また、男性の場合は234件とありますが、この中には同性愛者というのを隠している人もいるので実際はもっと少ないでしょう。

それでも女性のHIV感染が少ないという傾向は確かです。

しかし、体の構造的に男性よりも女性のほうがHIVに感染しやすいため、男女間の性行為では女性のほうが感染リスクは高いです。

通常の膣性交では、女性は男性より何倍もHIVに感染しやすいと考えられています。

1回の接触・行為で感染する確率

HIVは感染しにくいよ

B型肝炎ウイルス  30%
C型肝炎ウイルス 2~3%
HIV 0.3%

針刺し事故でウイルスが感染する確率です。相手がウイルスに感染していた場合の確率となってます。

針刺し事故というのはお医者さんなどが注射を使った際に、誤って自分などに針を刺してしまう事故のことです。

B型肝炎やC型肝炎に比べてHIVの感染確率は非常に低いのがわかります。HIVというのは非常に感染力の弱いウイルスといえます。

1回の感染確率

HIVは感染力が非常に弱く、性行為などで感染する確率は非常に低いです。

輸血    90%
母子感染 13~48%
薬物の注射の回し打ち  0.67%
針刺し事故   0.3%
粘膜・傷に触れた場合  0.09%
アナルセックス(受け入れ側) 0.04~3.0%  
アナルセックス(挿入側) 0.03~0.067%
膣を使ったセックス(女性側)  0.1~0.3%  
膣を使ったセックス(男性側) 0.05~0.38% 
フェラチオ(受け入れ側)    0~0.04% 
フェラチオ(挿入側)    0.005%

感染する確率です。性行為に関してはコンドームを使用しなかった場合の感染確率となっています。

最小値と最大値に関しては資料によってばらつきがあるので、その中での最小値と最大値を表示してあります。

この確率は必ずしも正しいというものではありませんが、おおむねの感染確率と行為による危険性の大きさいうものを読み取ることができます。

また、性行為の場合、体液に触れていた時間や量、粘膜を傷つけた可能性など状況によって異なるので、必ずしもこの程度の確率で感染するというものでもありません。その時の性行為の状況次第で感染する確率は変わってきます。

特に性病に感染している場合だと、粘膜や皮膚に炎症や傷ができることが多いので感染の確率が高くなります。

  • 輸血の場合は、大量の血液が血管に直接入ってくるので感染の可能性は非常に高いです。
  • 針刺し事故や体液が目や口などの粘膜、傷に触れた場合は感染の可能性がありますが、この場合は接触する体液は少量のことが多いので感染リスクはそれほど高くはありません。
  • アナルセックスは膣性交の5~10倍以上の感染リスクがあります。
  • オーラルセックスでもHIVに感染する可能性があります。フェラチオだと膣性交の10分の1程度とかなり低いですが、それでも感染のリスクがあります。クンニリングスでも感染のリスクはあります。(ただし、オーラルセックスで感染する確率は極めて低く、感染することはないという研究者もいます。もっとも、HIVの感染力の弱さを考えると、口の粘膜や性器の状態が健康であれば普通は感染しないでしょう。)

感染初期は感染力が強い

感染してしばらくはウイルス量が一番多いよ

あまり知られていないかもしれませんが、HIVは感染して初期症状から6ヶ月ぐらいまでの感染者からの感染力が一番強いです。

逆に感染から半年以上過ぎた人の場合、その人からHIVが感染する力は弱くなります。

この理由の一つは、HIVに感染すると数日から数週間でHIVの数が急増することにあります。血液などの体液にHIVが大量に含まれていると、人に感染する力も強くなるからです。

この感染直後というのは一時期だけですが、血液などの体液に含まれるHIVの量がHIV感染者の一生のうちで最大となります。末期のエイズ患者でもこれほど多くは増えません。

中和抗体の存在

HIV感染直後の人から感染力が強い理由はもう一つあります。それは、血液中にHIVの中和抗体が無いことです。

中和抗体はウイルスの感染力を消す働きをもった抗体です。(HIV以外の)普通のウイルスだと中和抗体ができると、ウイルスは感染する対象を見失い増殖できなくなります。

HIVでも感染すると身体は中和抗体を作り始めます。そして、この中和抗体はHIVを無効化させようと働き始めます。

しかし、HIVは非常に突然変異しやすいウイルスです。中和抗体がつくられるようになる頃には変異したHIVも生まれていて、中和抗体の攻撃をスルーします。中和抗体は全く仕事をさせてもらえなくなるわけです。

ウイルス発見から中和抗体がつくり始められるようになるまで3ヶ月くらい。その頃には中和抗体は時代遅れとなっていて、古いほうのHIVを退治しても変異したHIVが代わりに増殖して増えていきます。

そして、変異したHIVへの中和抗体もつくられるようにはなるのですが、それはまた3ヶ月以降となります。その頃にはさらに変異したHIVが作られるようになっています。

中和抗体ではHIVの突然変異のスピードにはついていけないのです。

中和抗体が感染力を弱める

この中和抗体はHIVに対して上手く機能しないため、あまり役にたっていないと思われていました。しかし、この中和抗体が含まれた血液というのは、HIVの感染力を弱めるという研究結果が得られています。

猿による実験では感染初期の場合、最大で750倍感染力が強かったという研究結果もあります。

HIVの検査の場合、感染機会から3ヶ月目以降で確実にわかるといわれています。

しかし、この感染から3ヶ月目ぐらいまでがHIVの感染力が一番強く、他人に感染させる可能性が一番高い時期でもあるということです。

1個のHIVでも感染する?

「1個でもHIVが入ったら感染する可能性がある?」

このような疑問をもつ人も多いと思います。ほんの少しでもHIVの含まれた血液だと感染する可能性はあるんじゃないか、そう思う人も多いと思います。

この問いに対する答えは

「1個のHIVが身体に入っても感染することはない」

です。これには理由があります。

1個でなくとも、ほんのちょっとのHIVの場合でも感染する可能性は非常に低いです。そのほんのちょっとの量にもよりますが、ほぼゼロと考えていいです。

ウイルス量と感染力の関係

体液に含まれるHIVの量が多くなると、HIVの感染力が強くなることがわかっています。含まれるHIVが10倍になると感染リスクは2.5倍になるという研究結果があります。

逆に、含まれるHIVが10分の1なら感染リスクは0.4倍になります。

含まれるHIVが100分の1なら感染リスクは0.16倍
含まれるHIVが1000分の1なら感染リスクは0.64倍
含まれるHIVが1万分の1なら感染リスクは0.0256倍
含まれるHIVが10万分の1なら感染リスクは0.01024倍

含まれるHIVが少なければ少ないほど、感染のリスクはほとんど無くなっていきます。

薬を服用していないHIV感染者の血液中1μml中には100万コピー以上のHIVが含まれていることがあります。コピーとは遺伝子の数で、この場合はHIVが100万個含まれていると思ってもらっていいです。

この場合でも1回の性行為で相手が感染する可能性は1%以下です。

たった1個のHIVで感染する確率というのは、宝くじの1等を10回連続で当てるぐらいの確率と大して変わらないといえば分かりやすいでしょうか。

感染するためには大量のHIVが必要

1個のHIVで感染しないという理由を別の側面からも考えて見ます。身体の自然免疫のシステムです。

人間の身体には自然免疫という防御システムがあります。これは抗体とは違い、どんなウイルスであっても侵入者を排除してくれる万能な門番です。HIVでも攻撃されて退治されてしまいます。

100人の門番がいるところに1人が強行突破を試みても必ず失敗するのは誰でもわかると思います。1人だと必ず発見され、必ず退治されます。見逃されることは不可能です。

どんな危険なウイルスであってもそれが少数なら、感染することなく身体は完全にウイルスを排除できるのです。

HIVが1個だけ体内に侵入するというのはこれと同じことです。

しかし、1000人が強行突破を試みたらどうでしょうか。恐らく、強行突破は成功します。

HIVが輸血などで大量に入ってくるような状況はこれと同じです。

HIVでもインフルエンザウイルスでも、一度に大量に体内に入らないとウイルスに感染しない理由というのはこの自然免疫の働きにあります。

このように、1個のHIVで感染することはありません。少量のHIVでも非常に感染する確率は非常に低いということです。

性病検査キット

自分で検査できるよ

性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。

ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。

そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。

性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。

 >> 性病検査キットの良い点・悪い点

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