自宅でできる性病検査キットの良い点・悪い点
自宅で性病を検査できる検査キットですが、良い点も悪い点もあります。オススメできない人もいます。
このページでは郵送の性病検査キットについて解説します。
性病検査キットとは
自宅で検査できる
性病検査キットは自宅で性病検査ができるサービスです。
注文すると検査キットが自宅などに届くので、説明書の手順に従って自分で尿や粘膜などの検査材料を採取します。
そして、ポストに入れて返却し検査機関で検査を行います。検査結果は数日後にホームページやメールで確認することができるようになるという仕組みです。
検査できる性病とできない性病があるよ
ただし、性病検査キットではすべての性病の検査ができるわけではありません。検査の行えるものと検査の行えないものがあります。
検査キットで検査のできる性病
- クラミジア
- クラミジア(のど)
- 淋病
- 淋病(のど)
- トリコモナス
- カンジダ
- ヒトパピローマウイルス
- HIV(エイズ)
- 梅毒
- B型肝炎
- C型肝炎
- 成人T細胞白血病
- 一般細菌
- マイコプラズマ
- ウレアプラズマ
- 性器ヘルペス
- 尖圭コンジローマ
検査キットで検査が可能な性病はこのようなものです。
この性病検査の項目については受けたほうがいい検査項目と性病の種類のページにまとめましたので、そちらをご覧ください。
検査キットで検査できない性病
- ケジラミ
- 疥癬
- いんきんたむし
検査キットでは検査ができない性病はこのようなものです。
これらの検査できない性病は明らかな症状がでるものです。はっきりとした症状が必ずでるので早めに病院へいったほうがいいでしょう。
性病検査キットの信頼性
病院と同じ検査だよ
近年は医療も発達し遺伝子検査など、さまざまな高度な検査も可能になりました。
性病においても同様に最先端の検査が可能で、病院でもそれらの検査を取り入れています。
しかし、そのような検査には高度な専門機器が必要となります。このような機器は高額なため、普通の病院では用意できません。
このため、検査を専門に行っている検査機関に検査を依頼しています。
この病院と同じ検査機関の性病検査を受けられるのが、検査機関が行っている性病検査キットのサービスです。
この検査キットのメリットは病院と同じ検査が受けられるという点にあります。
病院の検査でも絶対に完璧というものはありませんが、医療の進歩や科学の発達にともなって開発された検査方法から、その時点で最も優れている検査方法を取り入れています。病院で行われている検査方法はかなり信頼性の高いものです。
HIV検査キットに対する厚生労働省の意見
現在、HIVの検査などでは、郵送の検査キットで検査する人も多くなっています。
2012年の1年間でHIVの検査を検査キットで受けた人は6万5千人で、保健所で検査を受けた人数の半分ほどの数になります。
厚生労働省の研究班では、郵送の検査キットの精度・信頼性を確認するために調査も行っています。HIV陽性と陰性の検体数例を厚生労働省が再検査したところ、検査結果は一致しました。厚生労働省としては「郵送の検査キットの品質に問題は確認されていない」と検査の信頼性については認めています。
そして、現在では検査キットも医療機関での検査と共に、検査を受けるための選択肢の一つとして考えられています。
性病検査キットのメリット
検査だけなら病院より安い
性病検査キットは病院で行う検査より安く検査が行えます。
性病の検査では、症状がでていない場合は保険がきかないからです。国の制度では症状の無い人には保険の適用を認めていません。
これは検査費だけでなく病院の初診料と再診料でも保険は適用外となります。
病院で検査を行うと、検査に行ったときに初診料がかかり、検査結果をききにいくときに再診料が検査費にプラスしてかかります。
このため、症状のでていない性病の検査では検査キットのほうが値段は安くなります。
自分の都合にあわせられる
性病検査キットには自分の都合にあわせて、自由な時間に検査ができるというメリットもあります。検査のために病院まで足を運ぶ必要もありません。
また、検査キットの使用期限は1年くらいあるので、心配な人はいざという時のために買い置きしておくことも可能です。
誰にもばれない
誰にも知られずに検査が可能というのも性病検査キットのメリットの1つです。
性病検査キットのサービスはプライバシーに非常に配慮されています。検査機関の職員でも、検査を受けている人の名前がわからないようになっています。
自宅に届くときも中身が何かはわからないような包装・梱包で届きます。自宅で受け取りたくないという人は郵便局で受け取ることも可能です。
注文から検査結果がでるまで、誰にも知られること無く検査が行えるようになっています。
性病検査キットのデメリット
検査のみとなってしまう
性病検査キットの一番のデメリットは検査で陽性反応が出た場合です。
検査キットで性病に感染していることがわかったときは、あらためて病院へいくことが必要になります。
最初から病院で検査を受けておけば治療までスムーズに行えるのですが、検査キットの場合は検査のみです。
この点が性病検査キットの一番のデメリットでしょう。
ただ、検査キットで陽性だった場合でも、検査キットの検査結果も病院へ持っていき、問診の際に提示するといいでしょう。
病院によっては再度の検査となる可能性もありますが、恐らくお医者さんでも検査結果を受け入れてくれて、そのまますぐに治療に入れることのほうが多いと思います。
検体採取を失敗する可能性がある
喉の粘膜や膣分泌液を検査する場合、自分で粘膜の部分を綿棒でぬぐうひつようがあります。
喉なら喉の奥の粘膜の部分を、膣なら膣の奥の子宮頚部などをぬぐいます。病院で検査する場合はお医者さんにやってもらう作業です。
慣れればそれほど難しい作業ではないですが、慣れていない人だと難しく感じたり正しく採取できない可能性もあります。
医療関係者の人でも検査キットに対して、自分で採取することに検査キットの問題がある、素人が自分でやるのは不安だという人もいます。
この検体採取を自分で行わなければならないという点は検査キットのデメリットといえるかもしれません。
陽性の場合のケアができない
検査結果で陰性なら問題は無いのですが、陽性の場合は今後の対応について迷う可能性があります。
病院なら検査結果についての十分な説明があるでしょう。
しかし、検査キットでの陽性の場合は、自分自身で考えて通院や治療という行動にうつる必要があります。
この陽性の場合にケアができないという点も検査キットのデメリットといえるでしょう。
検査キットに向いている人
症状があったら病院へいったほうがいいよ
性病検査キットで行えるのは検査だけです。治療までは行えません。
このため、検査キットで検査するよりも病院へ行ったほうがいい人もいます。
ここでは、どんな人が検査キットに向いているかを考えてみます。
検査キットをオススメできる人
- 症状が出ていない人
- 性病かどうか判断がつかない人
- 危ない性行為をした人
- 病院へ行く時間の無い人
- 病院へ行くのが恥ずかしい人
- 家族にバレるのが嫌な人
- 風俗などで働く定期的な検査が必要な人
- パートナーの多い人
このような人は検査キットでの検査を検討してみるといいでしょう。
特に、症状の出てない人というのは検査キットでの検査に向いています。金額的には病院より安くなり、検査結果自体は病院と同じものが得られます。
病院へ行ったほうがいい人
- 明らかな症状の出ている人
- 病院にいく時間のある人
- 病院にいくのが恥ずかしくない人
- 治療までスムーズに進めたい人
このような人は最初から病院での検査に向いています。お医者さんと話をして検査・治療をどのようにするかを決めるといいでしょう。
検査機関のキット比較
検査キットにもいろいろあるよ
性病検査キットはいろんな検査機関から販売されています。
主な検査項目はどこもほとんど同じです。必要な検査はどこの検査機関でも受けることができます。精度も高度な検査機器を使用して行うため特に違いはありません。
それでも、利用しやすさやサービスは検査機関により違いがあります。
検査機関の選び方のページでは、検査機関について解説していますので選ぶ際の参考にしてください。