子宮頸がんワクチン 予防接種の効果と副作用
子宮頸がんワクチンはとても優れたワクチンです。
接種しておけば子宮頸がんの7割を防ぐことができます。
しかし、副作用が非常に多いワクチンでもあり、深刻な副作用もあるのではないかといわれています。
このページでは子宮頸がんワクチンの有効性や安全性について解説します。
子宮頸がんワクチン
子宮頸がんを防げるよ
子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルスです。
100種類以上の型がありまが、子宮頸がんの原因となるのはその中の一部で、ハイリスク型と呼ばれています。
さらに、そのハイリスク型の中でも16型と18型が原因となることが多く、7割を占めています。
子宮頸がんワクチンには、この2つの型のウイルスに対して感染を予防する効果があります。
2つのワクチン
実際のワクチンとしては、グラクソ・スミスクライン社のサーバリックスと、MSD社のガーダシルの2種類が存在しています。
現在では100ヶ国以上で接種されているとてもメジャーなワクチンです。
子宮頸がんを100%防げるわけではありませんが、全体の発症率を7割くらい減らすことができます。
有効期限については、接種がはじまってそれほどたっていないので、詳しくはわかっていません。
それでも、20年くらいは予防効果があるのではないかといわれています。
日本の接種状況
小6から高1は無料
子宮頸がんワクチンに年齢は関係ありません。性行為を行う女性であれば何歳でも予防効果が期待できます。
このため、どの年代の女性が接種してもいいのですが、性行為を行ったことのない女性に対しては特に有効です。性交渉を行う年頃になる前に接種することが効果的だからです。
日本でも小学6年生から高校1年生までは予防接種として無料で受けられるようになりました。2012年の報告ではその年代の3分の2が接種済みとなっています。
それ以上の年齢では接種費用は全額自己負担となります。
自己負担の場合、接種費用は医療機関によって異なりますが、3回の接種が必要で総額5万円前後です。
子宮頸がん以外にも有効
他のがんにも予防効果があるよ
子宮頸がんの主な原因である16型と18型のヒトパピローマウイルスは、肛門がん、ペニスのがん、膣のがん、喉のがんなど、他のがんの原因となることもあります。
子宮頸がんワクチンにはヒトパピローマウイルスの感染自体を防ぐ効果があるため、これらのガンについてもある程度の予防効果が期待できます。
また、子宮頸がんワクチンの一つであるガーダシルは、尖圭コンジローマを引きおこすタイプのヒトパピローマウイルスについても予防効果があります。
尖圭コンジローマは日本人にもかなり多い代表的な性感染症です。
尖圭コンジローマはなかなか治りにくいこともあるので、ガーダシルの接種は尖圭コンジローマ予防に対しても非常に有効といえます。
ワクチンを接種しても検診は必要
子宮頸がん検診が大切
ヒトパピローマウイルスにまだ感染していない女性に対して、子宮頸がんワクチンを使うことによりかなりの予防効果が期待できます。
しかし、すでに感染してしまったヒトパピローマウイルスを排除する力はありません。
また、予防できるのは原因となるヒトパピローマウイルスの7割くらいなので、すべての子宮頸がんを予防できるわけでもありません。
これに対して定期的な子宮頸がん検診では、子宮頸がんの9割以上を早い段階で発見することが可能です。早期に異常を発見できれば治療だけで完治します。
実際のところワクチンよりも子宮頸がん検診のほうが大切で、ワクチンを接種したとしても定期的な子宮頸がん検診が必要です。
つまり、ワクチンは子宮頸がん検診の代わりにはなるわけではありません。
副作用がとても多いワクチン
副作用がでやすいよ
子宮頸がんワクチンを接種すると副作用がでることがあります。
主な副作用は注射した部分の痛み、腫れ、赤みなどです。
接種後に気分が悪くなったり、意識を失うといった副作用も多くでています。
そもそも、子宮頸がんワクチンは副作用が非常にでやすいワクチンです。
子供向けの定期接種の場合、副作用の報告が100万件あたり31件であるのに対して、子宮頸がんワクチンでは100万件あたり232件となっています。
子宮頸がんワクチンの副作用の発生率は明らかに高いです。
この副作用の発生率の高さについては厚生労働省も認めています。
重い副作用
深刻な副作用の報告
子宮頸がんでは上で書いた一般的な副作用とは別に、非常に重い副作用と考えられる事例も確認されています。
- 全身に激しい痛み・しびれが残り毎日のように続く
- 体を動かすのが不自由になり歩行も困難になった
- けいれんが頻発するようになった
- 簡単な算数の計算が突然できなくなった
子宮頸がんワクチン接種後に、様々な障害が残るケースがかなり発生しています。
このような重篤な障害がワクチンの副作用によるものかはわかっていませんが、普通に考えれば子宮頸がんワクチンとの関係が疑われるところです。子宮頸がんワクチンがこのような副作用を引きおこしている可能性は高いでしょう。
しかし、この重い副作用の疑いのある事例について、ワクチン接種との因果関係が認められたわけではありません。
厚生労働省による検討の結果でも、定期接種を中止するほどリスクが高いとは認められませんでした。
その結果、厚生労働省はワクチンの積極的な推奨の停止のみにとどめています。国として接種を勧めることはしないけれど、希望者への無料の接種は続けるということです。
ワクチンに問題はないと発表
国の発表があったよ
厚生労働省はその後もワクチンの安全性についての検討をすすめました。
そして、2014年の1月には重い症状が発生する原因について「針を刺した痛みや不安によって引きおこされた反応で、ワクチン自体には問題はない」という見解を厚生労働省として発表しています。
つまり、「接種した人の体に問題があったのだ」ということなのでしょう。
これはよくわからない理屈であり、かなりの反発もでています。
さらに、この検討会の委員15人のうち11人はワクチンメーカーから講演料を受け取っていたことも明らかになりました。ワクチンの安全性について本当に公平に判断されたのかは疑問が残ります。
最初からワクチンは安全だ、という結論にもっていくことで話をすすめたのではないかと疑いたくもなります。国の定期接種に組み入れられれば、ワクチンメーカーは莫大な利益を上げることができるからです。
もしワクチンが本当に安全であり、それを国民から信用してもらいたいのであれば、ワクチンメーカーとは全く関係のない人によって検討されるべきだったのだと思います。利益を追求しているワクチンメーカーと関係のある人物による検討なんて誰も信じないからです。
現在のところ厚生労働省も積極的な推奨は停止という立場をとっていますが、さきほど述べたように定期接種自体は中止していません。
今後はワクチンは安全だという結論をだして、再びワクチンを積極的に推奨していくようになる可能性もあります。
現段階ではワクチンが安全かどうかは不明としかいえませんが、厚生労働省が今後どういう判断をしていくかを見守っていく必要があるでしょう。
副作用があっても接種すべきという声
全体的には優れた効果があるが
また、専門家の中には副作用がでるのはしょうがないという人もいます。
ワクチンを打っても副作用がでるのは少数です。これに対してワクチンを接種することにより、多くの女性の子宮頸がんを予防できます。
「わずかに重い後遺症のでる人もいるのかもしれないが、ワクチンとの因果関係を証明できたわけではない、それよりもワクチンによる予防効果のほうがずっと高いのでそのくらいは受け入れるべき」という意見です。
このような意見は全体をみれば正しいようですが、重い副作用で苦しむことになる女性を犠牲するのが果たして正しいのか疑問が残ります。
そもそも、ワクチンとの因果関係を証明するのは非常に難しいです。
子宮頸がんワクチンが本当に安全なものであれば問題はありません。
しかし、もし重い副作用を引きおこすワクチンであれば、これからずっと後になって何人もの被害者をだしてから、やっと副作用があったと認めるような事態になる可能性もあります。
副作用に対する補償
認められれば補償を受けることができる
子宮頸がんによる副作用がでた場合には、国による補償を受けることができます。
しかし、副作用と思われる症状とワクチンとの因果関係が認められていない現在では、副作用と認められない可能性もあります。
実際に認められていない人もいます。
まとめ
ワクチンの接種は慎重に
ワクチンを接種しても結局は子宮頸がん検診が必要です。
2年に1度の子宮頸がん検診さえ受けていれば、ヒトパピローマウイルスが原因の子宮頸がんはほぼ100%防ぐことができます。
検診をきちんとうける人には子宮頸がんワクチンは絶対に必要なものではありません。
はっきりいえば子宮頸がん検診だけでも十分です。
幸いなことに子宮頸がんワクチン接種は義務ではなく、接種するかどうかは個人の判断に任せられています。
ワクチン接種で副作用がでる可能性が現状ではあるといえるので、接種すべきかどうかは自分自身で慎重に判断するべきでしょう。
性病検査キット
自分で検査できるよ
性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。
ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。
そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。
性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。
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