昔の性病、鼠径リンパ肉芽腫
鼠径リンパ肉芽腫は太もも付け根のリンパ節が腫れる病気です。
かつては梅毒・淋病・軟性下疳とともに性病に指定されていました。
しかし、現在では日本人の感染者は減り、日本ではほとんど見られない性感染症となっています。
このページでは鼠径リンパ肉芽腫について解説します。
鼠径リンパ肉芽腫とは
リンパ節がひどく腫れる病気だよ
鼠径リンパ肉芽腫(そけいりんぱにくがしゅ)はクラミジアによる感染症です。
ただ、日本でもよく知られている性感染症のクラミジアとは全く別の病気です。別の種類のクラミジアが原因で、遺伝子の型が異なっています。
主に性行為で感染しますが、リンパ節に侵入して増殖するため、太ももの付け根のリンパ節が腫れて痛ようになります。
また、第四性病、性病性リンパ肉芽腫ともいわれています。
国内では少ない
軟性下疳は熱帯地方に多い病気です。
日本でも性病予防法で性病に指定されていたほどで、過去には流行していたこともありました。
しかし、現在では日本人の感染は極めて少なく、国内で感染することはほとんどないと考えられます。
海外で感染する人がまれにいるくらいです。
西ヨーロッパでの流行
ゲイの間で流行があったよ
鼠径リンパ肉芽腫は先進国では少ない病気です。
しかし、オランダ、フランス、イギリスなどの西ヨーロッパ諸国では、2000年代に入ってから男性同性愛者・ゲイの人たちの間で感染が見られるようになりました。
コンドームを使用しないアナルセックスが原因と考えられ、感染が見つかる人の多くはHIVにも同時に感染しています。
この場合は主に肛門から感染するため、肛門や直腸のリンパ節に感染して直腸炎を引きおこします。
鼠径リンパ肉芽腫のクラミジアには症状が出にくいタイプも存在していて、西ヨーロッパでの流行したのはこのタイプです。このことも、西ヨーロッパで感染者が増えた原因の一つとなっていると考えられます。
症状
小さなただれ
潜伏期間は3日~2週間くらいです。
最初は1mmくらいの小さな水ぶくれが性器にできますが、すぐに破れて痛みの少ないただれになります。
しかし、ただれはその後しばらくして消えてしまうため、気付かないことが多いです。
太もも付け根の腫れ
ただれができてから更に1~2週間ぐらいすると、発熱や頭痛、倦怠感などの全身症状があらわれるようになります。
同時に太ももの付け根のリンパ節も腫れて硬くなり押すと痛みます。
その後、そのリンパ節の腫れた部分には膿がたまるようになり、さらに皮膚や破れて膿がでるようになります。
女性
女性では直腸や肛門のリンパ節に感染し直腸炎をひきおこすことがあります。
症状が重い場合には、性器や肛門にひどい潰瘍や象皮病の症状があらわれ、醜く変形することもあります。
治療
治療には抗生物質の飲み薬をを使います。3~4週間くらいの服用で治ります。
画像・写真
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性病検査キット
自分で検査できるよ
性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。
ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。
そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。
性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。
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