大人の亀頭包皮炎と治療薬
ペニスに菌が感染すると炎症を起こして亀頭包皮炎(きとうほうひえん)を発症することがあります。
子どもに多い病気ですが、大人でも発症する人が少なくありません。
大人の場合には非常に治りにくかったり、何度も再発を繰り返したりするなど、とても面倒な状態になることも多いです。
このページでは大人の亀頭包皮炎やその治療薬について解説します。
亀頭包皮炎とは
ペニスの炎症だよ
亀頭包皮炎は亀頭から包皮の部分におこる炎症です。
特に包皮の部分に炎症をおこすことが多いですが、亀頭炎と包皮炎が同時に起こることも多いため、亀頭包皮炎と呼ばれています。
包皮は包茎の状態のときに亀頭を包んでいる部分です。包茎ではない人(むけた状態の人)の場合は、亀頭の少し下のあたりの部分が包皮となります。
原因となるのは主に細菌とカンジダです。
子供の場合はほぼすべてが細菌が原因ですが、大人の場合はカンジダが原因のことが多いです。
主な症状
白い垢がでることが多いよ
亀頭包皮炎の潜伏期間は1~7日くらいです。感染した菌によっても異なります。
カンジダの場合は菌が増えやすい環境が整っていれば、数時間くらいで症状が出はじめることもあります。
- 白い垢(あか)・白い薄皮
- 炎症をおこして赤くなる、ただれる
- 赤い斑点・ぶつぶつ
- 軽い痛み・かゆみ
- 膿
亀頭包皮炎の主な症状です。
ペニスの炎症をおこした部分が赤くなることが多いです。
また、炎症をおこした部分の皮膚・粘膜は弱くなっているので傷つきやすく、軽い痛みがあったりオシッコがしみたりすることもあります。
カンジダ
大人の場合は一番多いのがカンジダ性の亀頭包皮炎です。
発症すると湿った白い垢(あか)ようなものがペニスに付着するようになります。
人によってはカサカサとして乾いた薄皮のようになることもよくあります。
ペニスは普通の皮膚のような垢はでないので、こすって垢(白っぽいことが多い)のようなものがでるようならカンジダ性の亀頭包皮炎が疑われます。
発症する原因
性行為・自慰行為
激しい性行為や自慰行為を行うとペニスの表面に傷ができ、そこから菌に感染して亀頭包皮炎を発症することがあります。
カンジダの場合はカンジダ膣炎の女性から感染することもあります。
性行為の後に長い時間洗わずにそのままにしていると感染してしまう可能性が高くなります。
ただ、カンジダはどこにでもいるような菌で、皮膚や腸、口の中などどこにでもいます。
このため、性行為が原因ではないことも多いです。
包茎
亀頭包皮炎は包茎の男性によくみられます。
包茎の状態のペニスは湿っているため、カビの仲間であるカンジダなどが増えやすい環境だからです。
また、おしっこが包皮と亀頭の間に入ってそのままにされて炎症がおこることもあります。常に包茎の状態でほとんど洗うことがない子どもに多いタイプです。
不潔な状態
ペニスが不潔だと細菌にとっては住みやすい環境です。
細菌はたまった老廃物・付着した尿などを栄養して増えます。
また、ペニスの表面に傷ができている場合には、汚れた手で触るなどして細菌に感染してしまうこともあります。
洗いすぎ
ペニスを石鹸で洗うと普通の細菌は殺せますが、カビの仲間であるカンジダには効果がありません。
このため、細菌が死んだ分だけカンジダが増えてしまいます。
また、ペニスの包皮は普通の皮膚より薄いため、ゴシゴシ洗うと簡単に傷ができて菌に感染しやすくなります。
糖尿病・免疫不全
亀頭包皮炎は糖尿病やや免疫不全などが原因となることもあります。
このような場合の亀頭包皮炎は治りにくいです。
検査
特別な検査は無い
亀頭包皮炎では特別な検査が行われることはあまりありません。
お医者さんは状態を目で見て判断します。
しかし、亀頭包皮炎は再発を繰り返したり、なかなか完治しないことも多いです。
このような場合には皮膚や膿の顕微鏡検査や培養検査などを行うこともあります。
治療
軟膏・クリームで治療
細菌が原因の場合は抗生物質を含んだ塗り薬やクリームを用いて治療します。
ただ、カンジダが原因の場合は普通の抗生物質は全く効果がありません。このため、抗真菌薬の軟膏・クリームを用いて治療を行います。
症状によってはステロイドの軟膏を用いることもあります。
カンジダ性の亀頭包皮炎の治療について詳しくはこちらのページを参考にしてください。
自然治癒
自然治癒することもあるよ
症状が軽くペニスの皮膚が健康な状態であれば、亀頭包皮炎は自然治癒することもあります。
ただし、放置すると悪化してしまうこともあり、この場合は治療が難しくなります。
また、包茎の人の亀頭包皮炎は自然には治りにくいため、普通は治療が必要となります。
再発する人
再発しやすいタイプの人も
包茎の人の場合は亀頭包皮炎を何度も再発を繰り返すことも多いです。
人によっては性行為を行うたびに再発を繰り返すような人もいます。
再発を繰り返すとペニスの皮膚が弱くなり、炎症が慢性化してよけいに治りにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。
このため、手術が必要になる人もたまにいます。
性病検査キット
自分で検査できるよ
性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。
ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。
そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。
性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。
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