性器ヘルペスの検査と治療、薬
性器ヘルペスの検査方法と、治療薬についの解説です。
検査方法
検査はあまりしないよ
性器ヘルペスの診断で行われる検査は、いくつかの種類があります。
- 視診
- 血液検査
- 水ぶくれの検査
検査方法はたくさんあるのですが、保険がきかない高額な検査も多いです。
また、保険の適用される検査でも日数がかかったり、精度に問題があったりするため、検査自体が行われることが少ないです。
このため、性器ヘルペスの診断では、お医者さんが目で見て確認する視診が一般的です。大体はこの視診で性器ヘルペスかどうか判断がつきます。
それでも、見ただけでは性器ヘルペスかどうかよくわからない場合などには、検査も行われます。
血液検査
行う必要性の低い検査
性器ヘルペスの検査では、血液を検査することもあります。
血液検査は血液を採取するだけなので、手軽に行えるというメリットがあります。
しかし、普通に行われているヘルペスの血液検査では、口唇(こうしん)ヘルペスと性器ヘルペスを区別することができません。
このため、子供のころに口唇ヘルペスに感染していることが多い日本人では、性器ヘルペスかどうかを判断するのに、血液検査はあまり役にたちません。
それでも、ヘルペスに初めて感染した場合のみ、感染直後と治りかけの頃の数値を比べることによって、ヘルペスに感染したかどうかを確認することも可能です。
水ぶくれの検査
水ぶくれがあったら検査できるよ
性器ヘルペスによる水ぶくれができている場合は、血液検査より詳細な検査をすることが可能です。
しかし、水ぶくれが破れて潰瘍・ただれになっていると、検査をすることはできません。
また、検査の手順も複雑で、病院によっては検査機関に依頼する必要もあるため、あまり行われていません。
ただ、最近では手順が簡単で10分ほどで結果のでる迅速検査も可能になったので、今後は行われるようになるかもしれません。
遺伝子検査
水ぶくれができている場合には、性器ヘルペスの遺伝子検査も可能です。
精度は高いのですが、保険がきかないため病院で行われることはないでしょう。
ただ、郵送の検査キットでは遺伝子検査も可能になっています。
治療に使う薬
よく効く薬があるよ
性器ヘルペスにはよく効く薬があります。
- ゾビラックス 200mg
(アシクロビル) - ゾコビン 400mg
(アシクロビル) - バルトレックス 500mg
(バラシクロビル) - バルシビル 500mg
(バラシクロビル) – オオサカ堂
このような薬です。ゾコビン、バルシビルはジェネリック(後発医薬品)なので、値段が安くなっています。
この医薬品の個人輸入代行のオオサカ堂さんでは、処方箋が無くてもヘルペス治療薬が購入が可能です。
ゾビラックス、ゾコビンは200mgを1日に5回服用します。海外の規格なのでゾコビンは400mg含まれています。日本のガイドラインに従う場合には、半分に割って飲む必要があります。
バルトレックス、バルシビルは500mgを1日に2回服用します。
この2種類が性器ヘルペスの治療では主に用いられます。ウイルスを抑えてくれるので症状が軽くなり、1週間ほど早く治ります。
普通の治療では、このように飲み薬として使われますが、アシクロビルなどが含まれた塗り薬を使うことも多いです。
急性型では症状が重くなるので、点滴として使うこともあります。
- 急性型の投薬期間: 5~10日
- 再発型の投薬期間: 3~5日
投薬期間としてはこのくらいです。急性型は症状が重く、ウイルスの活動も活発なので投薬の期間も長くなります。
早めに飲めばすぐ治るよ
飲み薬でも塗り薬でも症状がでたらすぐに使うと、症状が軽くなりヘルペスがでている期間が短くなります。
使用方法については以下のHPが詳しいので参考にしてください。
>> アシクロビル | おくすり110番
>> バラシクロビル | おくすり110番
性器ヘルペスの塗り薬
塗り薬もあるよ
性器ヘルペスでは、飲み薬ではなく塗り薬を使うこともあります。
- 5%アシクロビル軟膏
- 3%ビダラビン軟膏
性器ヘルペスの治療で使われる塗り薬はこのようなものです。1日数回、5~10日間繰り返して使用します。
症状が軽い場合には、病院でも塗り薬だけを処方されることもあります。
しかし、塗り薬では性器ヘルペスの根本的な治療にはなりません。
一度感染すると完治することのない性器ヘルペスですが、性器ヘルペスの症状がでているときにアシクロビルやバラシクロビルを飲んでおけば、再発がだんだんと減っていくことがわかっています。
これは、性器ヘルペスが再発したとき、ウイルスは一度増殖した後に再び潜伏するのですが、症状がでたときに薬を飲んでおけば、潜伏するウイルスが減るからです。
ウイルスが減れば次の再発が減ったり軽くなったりします。
このため、ウイルスを減らすことができる飲み薬は、性器ヘルペスの治療に有効です。
治療効果は低い
これに対して塗り薬では、再発を減らすような効果はありません。
塗り薬はあくまで対処療法なので、水ぶくれ・ただれが治るのを数日程度早くする、患部を保護するくらいの効果しかありません。
病院では塗り薬だけを処方されることも多いですが、再発を繰り返す人には塗り薬はあまり意味がないものかも知れません。
このため、再発を繰り返しているのに塗り薬だけ処方されるようなときは、飲み薬を貰えないか聞いてみてもいいでしょう。
再発抑制療法
薬で再発を防ぐ方法だよ
性器ヘルペスの再発が多い人には、毎日ヘルペス治療薬を飲み続けるという再発抑制療法があります。保険が適用され、年に6回以上性器ヘルペスの症状がでる人が対象です。
この再発抑制療法は非常に優秀で、性器ヘルペスの再発をかなり緩和してくれます。
用いられる薬は、性器ヘルペスの治療に用いるバルトレックスです。
バルトレックス500mgを1日1回飲みます。これを1年間続けます。
金額的には、初診料・再診料を除いて、月に5~6000円ぐらいの自己負担で治療が可能です。
治療終了後は再発が減る
この再発抑制療法の目標は、ウイルスの量を減らすことです。薬を飲み続けることで潜伏するウイルスの量が減り、性器ヘルペスになりにくくなります。
また、もともと再発の多い人では治療中に再発したりすることもありますが、この場合は症状も軽いものですみます。
そして、ウイルスの量が減るのでパートナーにも感染しにくくなります。
この再発抑制療法を1年間続けると、60~70%くらいの人が薬をやめてからも再発がおこらなくなります。
それでも、治療後も再発があまり減らない人もいます。そのような場合は、数ヶ月くらい様子をみた後、もう一度再発抑制療法を行うことも可能です。
市販されているヘルペスの薬
市販薬は無いよ
性器ヘルペスでは、市販されている薬というのはありません。
薬局で処方箋なしで買える薬だと、皮膚や粘膜を保護する塗り薬くらいです。このような塗り薬には、性器ヘルペスのウイルスに対する効果は一切ありません。
これに対して、口のヘルペスである口唇ヘルペスの薬は、塗り薬だけですが薬局などで買うことが可能で、ネットでも買えます。
このような薬です。
病院で処方される薬に比べて効果は弱くしてあると思われますが、使われている有効成分は同じです。アシクロビルやビダラビンを含んだ製品です。
ただ、飲み薬の場合は、口唇ヘルペスでもお医者さんの処方箋が必要なため、市販薬としては販売はされていません。
この口唇ヘルペスの塗り薬ですが、実際には性器ヘルペスで使われている塗り薬と、含まれている成分に特に違いはありません。有効な成分は同じものです。
>> アシクロビル | おくすり110番
>> ビダラビン | おくすり110番
販売していない理由
性器ヘルペスの塗り薬が市販薬として販売されていないのは、安易に性器ヘルペスの治療をしてもらいたくない、という考えがあるからです。
お医者さんでも性器ヘルペスかどうか迷うこともたまにあります。
それを、患者さんが勝手に性器ヘルペスだと思って、市販薬で治療をされるのは好ましくないからです。
それでも、本当はダメだと知りながらも、口唇ヘルペスの薬を性器ヘルペスの治療に使っている人も世の中にはいるようです。
しかし、厚労省ではそのような使い方は認めていません。やめておいたほうがいいでしょう。
それに、もともと塗り薬では性器ヘルペスの再発に対しては、水ぶくれ・ただれを保護するくらいの効果しかありません。
それより、病院へいって飲み薬を処方してもらうほうがずっといいでしょう。飲み薬は非常によく効くため、治るのが早くなり再発も減ります。
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