HIV/エイズ 検査について
HIV/エイズの抗体検査、日本における輸血・検査手段などについての解説です。
HIVの抗体検査
検査を受ける時期は3ヵ月後
血液中にHIVの抗体があるかどうかを調べるHIVの検査方法があります。HIV感染を調べる検査ではこの抗体検査が一般的です。
このHIVの抗体は、普通の場合でHIV感染から1ヵ月後あたりから作られ始めます。
なので、HIV感染から1ヶ月後でも検査は一応可能です。90%程度の信頼性はあるといわれています。
ただ、人によっては抗体ができるのが遅い場合もあり、1ヶ月後で陰性でも3ヶ月後で陽性となる人もいます。感染しているかどうかが確実にわかるのがこの3ヶ月後です。
感染から1ヶ月後、2ヶ月後でも信頼性はかなり高いので、検査を受ける意味はあると思います。それでも、確実な結果を得るために3ヵ月後にもう一度受ける必要があります。
NAT検査というのもあるよ
HIVの検査には、抗体検査の他にもNAT検査という検査もあります。
NAT検査は保険が使えないため病院では2万円ほどかかりますが、感染から2~3週間ほどで検査が可能となります。
この検査のメリットは抗体検査より10日ほど早く受けられるという点だけです。一般的な検査ではないのでNAT検査は普通は受けることは無いでしょう。
陽性と陰性について
陽性イコール感染じゃないよ
HIVの最初の検査はスクリーニング検査となります。
スクリーニングとは大勢の中から疑わしい人をピックアップすることです。実際の手段としては主に抗体検査という方法を用いてスクリーニングを行います。
スクリーニング検査で使われる検査方法は、値段が安く扱いも簡単なのが特徴です。ただ、感染の見逃しを防ぐために検査の感度が非常に高くなっています。
感染機会から3ヶ月以降で、スクリーニング検査で陰性ならHIVには100%感染はしていません。
しかし、スクリーニング検査で陽性の場合だと偽陽性の可能性もあります。
偽陽性はニセモノの陽性で実際にはHIVに感染はしていません。
なので、スクリーニング検査で陽性だった場合は、本当にHIVに感染しているかを調べるために確認検査が必要になります。
偽陽性の確率
スクリーニング検査では0.3~1%程度の偽陽性が発生します。
日本の場合、HIVの検査をした人の実際のHIV感染率が0.3%程度です。なので、スクリーニング検査で陽性でも、実際にHIVに感染している人は半分以下となります。
また、妊婦さんは妊娠時にはHIVの検査も行います。妊婦さんの場合、日本でのHIVの感染率は0.01%程度となっています。
しかし、スクリーニング検査では0.3%以上の偽陽性が発生するので、妊婦さんがHIVの検査で陽性だったとしても、実際にHIVに感染しているのは30人に1人以下という計算になります。
偽陽性の原因
HIVの検査で偽陽性がでる原因はよくわかっていません。検査で何の物質に反応して偽の陽性となるか不明です。
ただ、HIVのスクリーニング検査は非常に敏感で、感度が高いものが必要とされているため拾う必要のないものまで拾ってしまうわけです。
使ってはいけない自己検査キット
自己検査キットは使えないね
HIVの自己検査キットとは、自分で採血をして検査結果の判定まですべてを自分で行うものです。
この自己検査キットで日本に認可されたものは存在していません。日本で手に入れるには個人輸入して海外から取り寄せる必要があります。
過去には厚生労働省でもこの自己検査キットについて調査しています。
調査した結果、半数から何らかの問題点が見つかりました。自己検査キットは使用すべきではない、信頼性が低いという結論がでています。
自宅でできる検査キットの場合、医療機関と同様の検査が受けられる郵送検査キットがあるのでそちらを利用したほうがいいでしょう。
健康診断とHIV検査
HIV検査は本人の同意が必要
健康診断では採血も行うため、「健康診断でHIVの検査も行われている」と考えている人もたまにいます。
しかし、健康診断でHIVの検査が行われることはありません。
HIVの検査は本人の同意が必要となるため、どんな時でもHIVの検査が勝手に行われることはありません。
また、HIVは特殊な検査となるので健康診断で行うようなものでもありません。
ただ、健康診断以外では検査をすることもあります。
手術前などには必要ならHIVの検査をします。ただ、この場合も検査には本人の同意が必要なので、お医者さんが勝手にHIVの検査をすることはありません。
献血とHIV検査
献血じゃHIV感染はわからないよ
献血でHIVかどうかがわかると考えている人もまれにいるようですが、献血ではHIVかどうかはわかりません。
確かに献血では安全な血液が必要なので、HIVの検査を行っています。
しかし、その結果は本人には決して知らされることはありません。
献血の検査でHIVの混入した血液がすり抜けることがあるからです。
もし、献血でHIVかどうか知ることができるようになると、自分でHIVに感染しているかもしれないと思っているような感染の可能性の高い人が集まってしまいます。
そうなると、HIVの検査をすり抜ける血液が何倍にもなるでしょう。
このようなことを防ぐために、赤十字では献血ではHIV検査の結果を本人に知らせることは一切ありません。
また、HIVの検査は進歩しているのですがそれでも限度があるので、HIVに感染した血液のすり抜けがゼロになることはありません。
日本でも輸血した血液によって数年に1人ぐらいはHIVに感染している、と予想されます。
郵送で可能な検査キット
自分で検査できるよ
HIV検査は郵送の検査キットでも行うことが可能です。感染から3ヶ月以降で検査が可能となります。
ただ、郵送のHIV検査キットで行える検査はスクリーニング検査です。
スクリーニング検査の注意点として、感度が非常に高い検査のため1000人に3人くらいは偽陽性になる、という点があります。
陽性と判定されても実際にHIVに感染している人は半分以下なので、陽性の場合は医療機関などでの確認検査が必要です。
陰性と判定された人はHIVに感染していないことが確定します。
HIV検査キットの値段比較表
検査機関名 | 価格(+送料) |
---|---|
STD研究所(HP)![]() | 4,968円(+525円) ※メール便は無料 |
GME(通常)(HP)![]() | 4,020円(+0円) |
GME(簡易)(HP)![]() | 3,100円(+0円)![]() |
宅配ドクター(HP)![]() | 4.200円(+500円) |
kensa.biz(HP)![]() | 3,900円(+735円) |
ふじメディカル(HP)![]() | 3,300円(+550円)![]() |
セルシーフィット(HP)![]() | 4,320円(+315円) |
※GMEの通常は通常パッケージ、簡易はローコストパッケージです。
主な検査機関のHIV検査キットの値段を比較した表です。
GMEのローコストパッケージやふじメディカルが安いですね。
検査機関に関する詳しい情報については検査機関の選び方のページを参考にしてください。
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